stage28 永遠に…中華風屋根のカーテン付きの建物でハープを弾きながら歌っている女性。通行人の男性が歌に釣られて近寄ると、風が吹き始めて東屋内に和蝋燭の火が消え、女性の背後から白い布のような物が飛び出し通行人の首に巻きついて捕獲されてしまったようです。 ジョギングをしている翼も歌声に釣られて近付きます。 そして翼に踏まれそうになって逃げた鳩の一羽が女性の目の前を飛び、女性は避けた拍子にハープの弦を切ってしまいます。 「良かった…。何ともなってない」 「温かい…」 「あっ…。つうか、君の手が冷たすぎだよ。氷みたいだぜ」 翼は女性に駆け寄り、女性の手を取って怪我が無いと判断し安心しています。 そして女性は翼の手が温かいと言っています。 「俺、翼。最近この辺を走ってるんだけど、君は?どうしてこんな所で歌ってんの?」 翼は自分の名前を教えたり、女性が何をしているのか聞いたりしています。 積極的な翼です。 「私には歌しかないの…」 「えっ!?」 冒頭の通行人のときと同じように風が吹き始めます。 「ここにいてはいけない。早く逃げて!!」 女性は翼をこの場から離れさせようとして東屋から走って出て行きます。 「あっ、ちょっと!?」 追いかける翼ですが女性を見失ってしまいました。 「あの人、一体…」 「翼ちゃんってば、お~い戻ってこ~い!!」 魔法部屋に戻っても女性の事が頭から離れない翼。 「どうしたんでござりますですか?ボーっとしちゃって…。いつもの翼ちんらしくないでござりますですよ」 「あっ…何でもない…。で、何の話だっけ?」 「ちぃ兄が出かけてた間に何件も魔法110番に通報があったって話だよ」 「次男のために話してんだ、しっかり聞いてろよにゃ」 「通報の内容をまとめると、おそらく冥獣人セイレーンの仕業だろうね」 「セイレーン?」 「一体、どんな奴なんですか?」 不在時に届いた魔法110番の内容を説明されているのに聞いていなかったようです。 「水辺に現れ、魅惑の歌声で人々を誘い出し、襲うという冥獣人だ」 「水辺…歌声…」 そして通報の中身が今回の女性とであった状況と同一だったために気になりだす翼。 「ん!?」 「それ、芳香載ってるの~。モデルやったんだ~」 しかもテーブルには今回の女性についてのページが開かれた雑誌が置いてあります。 どうやら芳香が広告のモデルで載ったために買ってきたよう。 「この人は?」 「あ~間宮レイね?」 「知ってんのか?」 「え~ちぃ兄知らねえの?レイレイ」 「FANの間ではレイレイと呼ばれている実力派女性アーティストだ。兄ちゃんだってそれぐらい知ってるぞ」 「翼ちゃん、芸能ニュース疎いからね」 「『間宮レイ 突然死の謎を探る!!』突然死!?」 「1週間前だって」 ちなみにこの女性は翼が知らないだけで有名なアーティストらしく、1週間前に死んだそう。 愛称はレイレイらしいです。 「そんな…まさか!?」 慌てて魔法部屋を飛び出す翼。 敵基地ではメーミィがナイとメアに今回の四底王の1人の能力を教えています。 何でも歌声が兵器なのだそう。 そこにウルザードが登場し、その冥獣人が以前喉を潰されたのではないかと聞いて来ます。 メーミィによれば、確かに喉が潰れているが、ちゃんと作戦をたててあるそう。 そして中華風屋根のカーテン付きの建物に近付く翼。 先程の女性(レイ)も建物に戻っており、翼を見て喜んでいます。 その時東屋の裏の池から冥獣人が出現し、先程獲物を逃がした事を咎めます。 冥獣人は背中から布を飛ばして遠くの相手を捕まえる能力があるので、誘き寄せて襲うより自分から捕獲に行けそうな感じがします。 翼の接近を悟られないように、レイは空を飛んで逃げ、自分に気を向けさせます。 しかし冥獣人も当然のように飛んで追いかけてきます。 そしてレイが身に付けているネックレスは冥獣人が念じるとそこから電気のような物が流れて墜落してしまいます。 どうやらレイはこの冥獣人の代わりに虜のハープを使用して人間をおびき寄せる歌を歌わされているようです。 冥獣人の傍で歌を歌っているレイ。 竹薮ですが、歌に釣られて割と大勢の人達が近寄ってきます。 しかしヒカルのマジランプバスターが炸裂し捕食は未遂に終わります。 続いてマジレンジャーが登場し、誘き寄せられた人達は解散。 ヒカルが女性にマジランプバスターを向けたところで翼がレイを庇って割り込みます。 「翼!?」 「翼ちゃん!?あの人、まさか…!?」 「間宮レイ…?」 「どういうことなんだ?」 「私…私…」 事情を女性から聞こうとする翼ですが、その間に冥獣人が巨大化してしまい女性を連れてその場を離れます。 残った一同は巨大化し戦闘。 翼の代わりにトラベリオンがボールを一瞬止める役でマジレンジャーボールで攻撃しますが、無効のよう。 冥獣人は目からビームを出して攻撃、そして姿を消します。 「やっぱり…冷たいんだな、君の手」 レイを廃墟のような所まで連れてきた翼。 レイの手が冷たい事にしみじみショックを受けているようです。 「だって、本当の私はもうこの世にはいないから…」 「やっぱり、君は…」 「私はネリウスに命を奪われ、魂を捕われてるの。人々を死に追いやる歌を歌わされるために…」 レイは冥獣人に命を奪われた上に魂を捕らわれて人々を死に追いやる歌を歌わされていると翼に打ち明けます。 「そんな歌…歌いたくない!!」 「言ってたよな、私には歌しかないって。だったら俺のために歌ってくれないか?」 「えっ!?」 「聞きたいんだ、本当の君の歌を」 「翼…」 そんな歌は歌いたくないと泣いているレイに、自分の為に歌ってくれないかと聞く翼。 「ありがとう…」 「このまま…時が止まってくれたらいいのに…」 「翼…」 「ヒカル先生!?」 「彼女の魂をセイレーンから開放し、本来行くべき所に行かせてあげよう。僕の魔法ならそれができる」 歌い終わったあたりでヒカルや小津兄弟が翼に合流。 ヒカルは自分の魔法で女性の魂を怪人から解放し本来行くべき所に行かせてあげようと申し出、マジチケットに入鉄しようとします。 「待ってくれ!!」 「彼女と離れたくないのね…」 「翼ちゃん…」 「ちぃ兄…」 「翼、そうすることが本当に彼女にとっていいことだと思うかい?」 「そんなの分かんねえよ!!でも…でも、俺…」 しかしレイを帰す事に抵抗を感じている翼。 モタモタしている間に、離れた所から布が飛んで来てレイとハープを回収してしまいます。 「翼ぁーー!!」 「レイーーー!!」 レイにハープを渡し、続きを歌うように強要する冥獣人。 レイは命令を拒絶した為に冥獣人に吸収されてしまいます。 翼を筆頭に現場に到着したや小津兄弟達ですが、既に女性は冥獣人の喉の薬として溶け込んでしまったとの事です。 変身して突進するマジレンジャー達ですが、冥獣人の喉慣らしと称した発声練習で足元に爆発が発生し一斉に倒れてしまいます。 皆が転んでゴロゴロしている間に、翼は体勢を立て直して、冥獣人に魔法を掛けてレイの分離を試みますが、溶けちゃったので無理と言いながら布のような物で翼を縛り上げ、目から出るビームで攻撃します。 翼を心配して駆け寄ろうとした小津兄弟達にはバンキュリアが攻撃を仕掛けて邪魔をします。 「待ってろ、レイ。今、俺が助け出してやる!!ジルマ・マジ・マジーネ!!」 再度魔法でレイを取り出そうとする翼ですが、無効な上に冥獣人の音声攻撃も食らってしまいます。 「俺は…俺は、絶対にレイを救い出すんだ!!」 「もうよせ、翼。彼女は完全に吸収されてしまった。もう彼女はいないんだ」 ヒカルが見かねて翼に諦めるように言いますが再起。 冥獣人からトドメの攻撃も食らいますが、今度は気合ではねのけますが変身が解けています。 「レーーーーイ!!魔法よ、レイに届け。ジルマ・マジ・マジ・マジーネ!!」 そんな翼に新しい魔法が授けられ、その魔法で冥獣人からレイが分離。 「最後まで諦めずに彼女を助けようとした翼の勇気にスペシャルな魔法が応えたということなのか!?」 「レイ!!レイ!!」 「翼!!」 翼はレイを連れて冥獣人から離れようとしますが、冥獣人にビームを出されたりしたので二人とも爆風に飛ばされて崖から落ちます。 冥獣人に総攻撃を仕掛ける小津兄弟達。 翼がいなくても倒せますか…。 バンキュリアは冥獣人が倒されたのを見て「おのれ覚えておきな」と言い残し撤退。 冥獣人を巨大化させたりしません。 そしてウルザードは本当の試練はこれからだと言っています。 ウルザードの台詞は独り言かと思いきや、近くに別の四底王がいて「その通り」とか相槌を打っています。 「ずっと一緒にいよう…レイ」 先程崖からダイブした翼とレイです。 「ありがとう、翼。嬉しい」 2人で手を取り合ったりしています。 「でも、あなたには未来がある。私といては駄目」 「レイ…」 「生きて、翼。私の分まで強く…」 「レイ…」 「幽霊になっても涙って出るんだね。最期の歌があなたのために歌えて良かった…」 そういい残して成仏してしまいました。 「レーーイ!!」 その様子を後ろから見ている小津兄弟達。 ヒカルに拠れば翼の強い思いが奇蹟を起こしたそうで、また伝説を作る魔法使いの1人なのだそう。 stage28完 次回に続きます ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|